家づくりの満足度を左右するのは、間取りでも設備でもなく、「誰と一緒につくるか」です。同じ会社に依頼しても、向き合ってくれる担当者次第で、その家は別のものになります。これは施主様にとっても、真剣に家づくりに取り組むメーカーにとっても、変わらない事実でしょう。
ところが、その相手にたどり着くまでの道のりは、決して平坦ではありません。何社まわっても、どこも良さそうに見える。決め手が見つからないまま、時間だけが過ぎていく。そんな声を、私たちは数多く耳にしてきました。
その上で今回は、「日本の住宅を世界基準にする」という理念を掲げ、性能と寿命という二つの物差しで家づくりを続けているヤマト住建さんとの対談です。おうちキャンバスの注連内(しめのうち)が聞き手となり、柏ショールームマネージャーの渡沼史雄氏、広報の池田和世氏にお話をうかがいました。おうちキャンバスとの提携を通じて、ヤマト住建とお客様の「出会い方」がどう変わったのか。その背景をひも解きます。
Speakers

渡沼 史雄 氏
ヤマト住建株式会社
柏ショールームマネージャー

池田 和世 氏
ヤマト住建株式会社
広報

注連内 翔太
株式会社ソルブレイン
おうちキャンバスプロジェクトリーダー
Chapter 01性能は、伝わって初めて価値になる
注連内
本日はよろしくお願いします。まず、ヤマト住建さんが家づくりで一番大切にされていることから教えてください。
渡沼
会社として常に掲げているのは「日本の住宅を世界基準にすること」です。
注連内
「世界基準」ですか。
渡沼
日本に住んでいると、自動車や家電は世界のトップにいて、自分たちが基準をつくってきたという感覚があると思うんです。住宅もそうだと思われがちなんですが、そうではありません。日本の住宅が遅れている、劣っている要素は四つあります。「①広さ」「②価格」「③性能」「④寿命」です。この四つを世界基準のレベルに引き上げること。それが根幹にあります。
注連内
そう考えるに至った背景には、何があったのでしょうか。
池田
創業者の西津の考えですね。若いころにアメリカなどへ行ったことは、大きいかもしれません。日本の建築とは違う考え方に触れています。創業からこだわってきた住む人を守る強靭な家づくりに加え、欧米の住宅はこれからの日本の家づくりを考える材料になったと思います。
渡沼
ただ、四つ全部を追いかけられるかというと、そうでもないんです。①広さと②価格については、国土や資源の問題があります。世界に追いつこう、追い越そうとしても、僕個人としては難しいと思っています。
注連内
残るのが。
渡沼
③性能と④寿命です。ここは圧倒的に遅れている。ということは、改善できるはずなんです。
注連内
寿命という言葉が出ましたが、そこにこだわられる理由は。
渡沼
会長から直接、こう言われたことがあります。「長寿命の家を建てられたら、それが少子化対策にもつながるんだ」と。
注連内
少子化対策、ですか。
渡沼
日本では、一世代に一軒の家を建てるのが当然になっています。なぜかというと、日本の住宅の平均寿命が約30年だからです。ところが北欧や北米では80年から90年、イギリスでは141年という数字もある。そうなると、一世代に一軒ではなく、三世代、四世代と住み続けられるわけです。
注連内
一軒を三世代、四世代で使えるなら、一世代あたりが負担する金額は、それだけ小さくなりますね。
渡沼
そうなんです。日本では結婚すると住まいにお金がかかって、子どもが二人、三人欲しくても、二人目を育てる資金が難しいということが起こります。二世代、三世代と住める家をつくれば、その分を教育や子育てに使える。それに、地震や湿気の多い日本の環境に合わせた、長持ちする家を建てる。それが少子化にも、環境問題や健康、快適性といった課題にもつながっていく。その考え方を、僕はとても気に入っています。
注連内
高性能で、できるだけ長く住んでもらえる家ということですね。具体的には、何年くらいを目指しているのでしょうか。
渡沼
80年は優に持つ家ですね。そして、ただ建っているということではなくて、その後も、完成したときの性能や快適性をきちんと保てる家。そこを目指しています。
Chapter 02そのために行っている、見えざる努力
注連内
その「80年、性能を保ったまま」という考え方を、実際にどう形にされているのでしょうか。
渡沼
柱は二つです。①地震に対して絶対に負けないこと。そして、②健康で快適に住み続けられること。この二つに絞って、ずっとやってきました。
一つめ|地震に、負けない
渡沼
本社は神戸にあり、創業39年目になります。31年前の1月17日、阪神・淡路大震災を、その真っただ中で直撃されました。そのとき僕たちが建てた建物は、倒壊はもちろん、半壊したものもゼロという実績を残せました。ただ、根幹にあるのは、その実績そのものではないんです。「あのとき、ヤマト住建の家に住んでいたおかげで、家族みんな無事でした」。そういう声を、直接いただけたことです。創業者の西津が「災害に強い家、頑丈な家を建てたい」と掲げた理念について、やっぱりあの家を建てていてよかったと、会社全体で心底思えたんだと思います。だから、その部分では絶対に手を抜けません。
注連内
地震対策について、具体的には、どこまでやられているんでしょうか。
渡沼
耐震等級3を取ればよい、というだけでは考えていません。等級3をどう取るか。さらに制振ダンパーを入れるか。その中でも油圧式を選ぶか。そこまで詰めています。
注連内
油圧式を選ばれる理由は。
渡沼
地震は一度では終わらないからです。本震があって、そのあとに余震が何度も続きます。震度6や7クラスの揺れに一度耐えられればいい、という話ではないんです。二度、三度と繰り返し受けても構造がへたらない。一度の揺れに耐えられるかではなく、繰り返しの揺れをどう吸収して、建物にダメージを残さないか。そこで効いてくるのが油圧なんです。家を長持ちさせるため。そして、お客様の生命と財産を守り続けたいと、本当に思って家づくりをしています。
注連内
「守るではなく、守り続ける」ということに重きを置いているんですね。そこまで考えられていることは、安心につながると思います。
二つめ|健康で、快適に住み続ける
注連内
もう一つの柱のほうも、うかがえますか。
渡沼
2つ目は「健康に住める」です。住環境によっては、健康を害してしまうことがあるんです。例えば、ヒートショックですね。65歳以上の高齢者に限ると、交通事故で亡くなる方の5倍を超えるとも言われています。だから断熱や気密が必要なんです。断熱等級やUA値が話題になって、どのメーカーも当たり前のように口にするようになったのは、ここ数年のことだと思います。僕たちは、みなさんが気にされるようになるずっと前から、二十年以上、断熱気密に取り組み続けてきました。省エネに特化した住宅のコンテスト(ハウス・オブ・ザ・イヤー)でも、16期にわたって賞をいただいています。補助金がもらえるから、今そういう家が売れるから、という理由ではありません。
注連内
その断熱は、どう取られているんですか。
渡沼
外張り断熱という方法を選んでいます。理由の一つが、見えない結露への対策です。ペアガラスが普及して窓ガラスが結露しにくくなり、アルミと樹脂の複合サッシが出てきて、枠の結露も減りました。だから「結露しない家になった」と思われるんです。でもそれは、窓の話なんですよ。見えない壁の中は、別です。
渡沼
壁の内側で断熱を取ると、壁の中で結露が起きます。「壁体内結露」といいます。断熱材が結露すると断熱性能が落ちる。そして湿気が閉じ込められたままだと、カビが生えます。そこにダニが集まって、その死骸やふんがハウスダストとなって空気中に漂う。それを吸い込むことで、ぜんそくやアトピーといった健康被害につながっていきます。しかも、この影響を最も受けやすいのは、生活する位置が低い、小さいお子さんなんです。その次が、犬や猫などのペット、そして高齢の方と言われます。
注連内
小さいお子さんやご高齢の方ほど影響を受けやすい、ということですね。いちばん守りたい相手なのに。
渡沼
世界では、結露する家を建ててはいけないというのが一般的な考え方です。でも日本では、まだ十分に対応できていません。だから僕たちは、外張り断熱をすべて標準にしています。
注連内
壁の話をうかがいましたが、屋根の側と床の側はどうなっているのでしょうか。
渡沼
考え方は同じです。家は断熱材で包むことで外の暑さ寒さを遮りますが、どこで包むかに選択肢があるんです。一般的なのは、上は天井、下は床。この場合、屋根裏と床下は断熱材の外側、つまり家の外と同じ環境になります。真夏の屋根裏は55度を超えますし、床下には真冬の外気が流れます。二階が暑いのも、朝に一階の床が冷たいのも、そのためです。僕たちは、上は屋根、下は基礎で包みます。屋根裏も床下も、断熱材の内側に入るんです。
注連内
断熱材で囲った範囲が、そのまま家の中だと。
渡沼
はい。だから気密を示すC値も、屋根裏から基礎まで含めた状態で0.5以下を確保しています。狭い範囲で測るより条件は厳しくなりますが、そうすることで屋根裏も基礎の中も、暑くも寒くもならない。それが最初に申し上げたヒートショックへの対策につながって、結果として省エネの家にもなります。
数値をよくすることは、目的ではない
渡沼
……ただ、正直に申し上げると、この取り方は数値の上では不利な場合があるんです。
注連内
不利、ですか。
渡沼
断熱等級のもとになるUA値は、外気に接する面をどれだけ断熱できているかで決まります。天井で断熱すれば、対象になるのは天井の平らな面積だけです。でも屋根で断熱すると、勾配のぶん面積が増えますし、屋根裏も基礎の中も家の中として計算に入ってきます。守る範囲が広いほど、数字の上では不利になるんです。
注連内
範囲を狭くしたほうが、よい数字が出る。
渡沼
出やすいです。それでも僕たちは広いほうを選んでいますし、その条件でも断熱等級はきちんと取っています。第一の目的が、UA値をよくすることではないからです。快適に住める家をつくること。そこが違いだと思います。
Chapter 03良い家は、聞き方で決まる
注連内
ここからは、渡沼さんご自身のご提案のスタイルをうかがわせてください。お客様に満足していただくために、渡沼さんはどんな進め方をされているんですか。
渡沼
まず、お客様がおっしゃったことを、そのまま受け取らないようにしています。最初におっしゃることって、多くの場合「答え」なんですよ。「収納をたくさんつくりたい」とか、「対面キッチンがいい」とか。でも、その奥には必ず理由があります。なぜ収納が欲しいのか。いまのお住まいで、何に困っているのか。そこまでうかがうと、実は収納を増やすより動線を変えたほうがいい、という結論になることもあるんです。
注連内
ご要望どおりにつくるほうが、話は早いですよね。
渡沼
早いです。ただ、ご要望どおりの家にはなっても、暮らしに合った家になるとは限らない。住み始めて何年か経ってから、そこが効いてきます。
注連内
他にはどんなことを意識されていますか。
渡沼
優先順位のつけ方ですね。ご予算には限りがありますから、どこかは削ることになる。そのときに、何を残して何を諦めるか。ここをご一緒に考えられるかどうかで、5年後の満足度がかなり変わると思っています。逆に、いちばん難しいのは「どんな家でもよいので、安く建てたい。こだわりはない」という方なんです。何を大事にされたいのかが見えてこないと、こちらも提案のしようがありませんから。
注連内
言いにくいことを言う場面も出てきそうです。
渡沼
出てきます。お客様のご希望に対して「それは後悔されるかもしれません」とお伝えすることもあります。言えば、その場の空気は良くありません。でも黙って進めたら、後悔されるのはお客様ですから。
池田
そこは、社内にいてヤマト住建のよいところだと思っている部分です。営業がお客様に理解していただくために、うまく言ったり、ごまかしたりしなくてもいい。本当によいと思った状態で話せる。それが一番大事だと思っています。
注連内
……いまうかがっていて思ったんですが、誰もが同じようにできるものなんでしょうか。
渡沼
正直に言えば、同じにはならないと思います。
注連内
同じにはならない。
渡沼
手を抜く人がいるという話ではないんです。ただ、どこまで踏み込むか、どこまで時間をかけて聞くかは、経験によっても人によっても違います。私自身、最初からできていたわけではありませんし。
それに、注文住宅はご契約からお引き渡しまで一年ほどお付き合いしますし、住み始めた後も関係が続きます。だからこそ、お客様と担当者の相性というのは、ご検討の進み方そのものを左右してしまうんです。会社を気に入っていただけても、そこが噛み合わないと、先へ進みづらくなる。
注連内
会社を決めたあとにも、まだ家づくりの良し悪しを左右する部分が残っている、ということになりますね。池田さん、会社としてはこの部分をどう見ていらっしゃいますか。
池田
一番投資している部分です。研修も、社内での事例共有も、そこに時間を使っています。渡沼のような聞き方を、全員ができるようにしていくのが会社の仕事だと思っていますので。
Chapter 04担当者は、先に決まっている
注連内
ここで一度、聞き手である私の話をさせてください。お二人のお話は、私たちが普段ご相談を受けていて感じることと、重なる部分が多くありました。
ハウスメーカーは公開されている情報で比較できます。けれど、その会社で誰が担当につくのかは分かりません。展示場に足を運べば、その日にいた方が担当になる。どの会社でも自然なことですし、悪いことでもないと思います。ただ、その方が何を大事にしていて、どんな進め方をする人なのかが分かるのは、お会いしてからです。担当者は、その前に決まっています。
注連内
おうちキャンバスにご相談いただいて家づくりを終えた方からの声で、いちばん多いのは「この方に依頼できてよかった」「この担当者を紹介してくれてありがとう」です。感覚としては7割ほど。家づくりで大事なのは、メーカーの仕様が半分くらい。残りの半分は、一年ほど伴走してくれる担当者だと思っています。
「本当にお願いして大丈夫かな」と思いながら進めるのか、「この人に任せておけば大丈夫」と思って進められるのか。その差は、間取りや仕様の差と同じくらい、後々の満足に効いてきます。池田さんがおっしゃったとおり、そこはカタログにも数値にも載りません。
Chapter 05だからこそ、おうちキャンバスがある
池田
逆に、こちらからも伺いたいことがあったんです。おうちキャンバスさんは、お客様にメーカーをご紹介されるとき、何を大事にされているんですか。ご紹介いただくお客様が、当社をよく理解して来てくださるので、以前から気になっていました。
注連内
大事にしている事は、二つあります。一つは、情報の正確さ。もう一つは、お客様と相性のよい担当者をおつなぎすることです。
調べても出てこないことを、聞きに行く
注連内
一つ目の情報の正確さからお伝えすると、ハウスメーカー様の情報を、おうちキャンバスを通してお伝えするわけですから、間違った情報や、私たちの変な意図が入るのはよくありません。正確な情報を客観的な視点で比較してお伝えするほうが、ユーザーのためになると考えています。
池田
その正確さが、どこから来ているのかというところなんですが。
注連内
一次情報を取りに行くようにしています。ネット上の情報だけで判断して発信することもできると思いますが、提携させていただいている会社には、必ず訪問して、現場でお客様に接している営業担当者の方から直接お話をうかがいます。実際にお会いしてお聞きすると、ネット上にはない発見がたくさんありますから。たとえば御社が、UA値やC値を他社さんより厳しい条件で出されていること。数字そのものは公開されていても、どの範囲まで含めた数字なのかは、調べても分かりませんので。今日こうしてお時間をいただいているのも、その一環です。
池田
前回は半日かけて当社の家づくりを見ていただきましたし、今回もそのうえで、足りないところを丁寧に追加でうかがってくださいました。屋根の断熱をどう取っているのか、気密の数値はどの範囲で測っているのか、なぜその工法を選んでいるのか。そこまで一つずつ熱心に確認されるのは、さすがだなと思います。それに、御社は「ここはこう表現してほしい」という私たちの思いもくみ取ってくださいます。だから、私たちが本当に伝えたいことが、そのままお客様にも伝わっているんだなと感じます。
注連内
我々は第三者だからこそ、当事者が気付けないように良い点に気づきやすい。だからそれをそのままSNSで発信しているだけです。
本日伺ったような断熱と構造の話は、マニアックすぎるので、SNSでは発信していません。ご相談会に参加された方に、直接お話ししています。調べても出てこない内容ですから、来ていただいた方だけが持ち帰れる情報になります。
相性のよい担当者を、どうおつなぎするか
注連内
そして二つめの、相性のよい担当者をおつなぎするほうです。ここが、私たちがいちばん力を入れているところです。むしろ、このためにおうちキャンバスをやっていると言ってもいいくらいです。
渡沼
相性は本当に大事です。どれだけ優秀な担当者でも、合う方と合わない方がいます。「会社は気に入ったけれど、担当者は変えてほしい」。そう思われている方は、実際には少なくないはずです。ただ、それを私たちに直接言ってくださる方は、ほとんどいません。
注連内
おっしゃるとおりで、お客様と御社の初回商談が終わった後に、お客様には私たちからご感想をうかがうようにしています。担当者との相性が合わなかったという場合は、私たちにお伝えいただければ、担当の変更をお願いする対応もしています。
渡沼
そこまでしていただけると、僕たちも動けます。
注連内
ただ、私たちとしてはそもそもミスマッチを減らしたいので、いちばん力を入れているのは、どの営業担当者をお客様にご紹介するかを決めるところです。
私たちが実際に営業担当者の方に会いに行って、どういう家づくりが得意な方なのかを把握して、関係をつくっておく。今日は私がうかがっていますが、ほかのメンバーも、各地の営業担当者の方を訪問しています。
そうして集めた「この営業担当はこういう家づくりが得意だ」という情報を、お客様をご案内するときに使わせていただく。そうやってマッチングの精度を上げています。
渡沼
かなり細かいところまで聞かれますよね。
注連内
そこが一番大事なところですので。これまで手がけられたなかで、一番うまくいったと思う家づくりはどんな案件だったか。どういうご要望をいただくと力を発揮できるか。得意な間取りや、資金計画の立て方に特徴はあるか。逆に、一番苦労された案件は何だったか。いま振り返って、心残りがあるとしたらどこか。など、込み入った所までうかがいます。そこが見えてこないと、どんなお客様とご一緒したときに力を発揮される方なのかが分からないんです。
池田
そこまでされているんですね。
注連内
正直、効率がよいとは言えません。時間もかかりますし、人が足を運ばないと成り立ちません。担当者の方との関係も、一度会って終わりではなく、続けていく必要があります。仕組みで一気に増やせるものではないんです。
ただ、ここを省いたら、私たちの理念に反します。ネットで調べられることだけでご紹介するなら、わざわざ私たちがやる意味がありません。家づくりは、やり直すということができません。だからこそ、一度で理想の家を建てていただく。そこが私たちの一番の仕事だと思っています。
Chapter 06ベストな提案ができる、良い循環が生まれる
注連内
では、実際のところをうかがわせてください。渡沼さん、おうちキャンバス経由でお越しになったお客様は、他と違いがありますか。
渡沼
これは、はっきり違いますね。ふつう、情報をお持ちでない方だと、初回は「家づくりで何が大切かご存じですか」という説明から始まります。一度では判断できませんから、その点を意識してほかも見てきてくださいとお伝えして、二回目、三回目でようやく間取りやご予算の話に入る。
おうちキャンバスさんからご紹介いただくお客様には、その前段階がありません。「自分たちが建てたいのはこういう家で、それを得意にしている会社はここだ」と理解して来てくださるので、初回から間取りやご予算のお話ができます。
注連内
一歩進んだところから始められる、ということですね。
渡沼
一歩、二歩は進んだ状態だと思います。こちらも、最初のご説明のためではなく、具体的なご提案のために準備して臨めますので。それと、これは担当者側の話になるんですが、ご紹介いただくと、こちらの気持ちも変わるんですよ。ご期待いただいたうえで来られているのが分かりますから、中途半端な対応をしたら、ご紹介いただいた意味がなくなってしまう。もっと良いご提案をしなければ、という気持ちになります。
池田
ありがたかったのは、当社の苦手な部分も、苦手だとお伝えしたうえでご紹介いただいていることです。設備の豪華さを最優先される方には向かない、ときちんと伝えてくださっていました。そうしていただけると、お会いしたあとで「これはできないんですか」という齟齬が起きません。お客様の側からしても、そのほうが満足度は高いのではないかと思います。
Chapter 07最後に、これから家づくりを始める方へ
注連内
最後にひとつだけ。この記事を読んでくださっている方に向けて、お二人から一言いただけますか。
渡沼
焦らないでいただきたい、ということですかね。決めなければと思うと、目の前にあるものを比べるしかなくなってしまいます。ご自身が何を大事にしたいのか。そこを先に決めていただけたら、家づくりはずいぶん進めやすくなると思います。それに、家はご契約いただいて終わりではありません。そこからのお付き合いのほうが、ずっと長いので。
池田
私からは、数字だけで決めないでいただきたい、ということです。耐震等級やUA値は比べやすいので、どうしてもそこで判断してしまいがちです。でも、なぜその数字になっているのか、どういう計算でその数字になったのか。そこまで見ていただけたら、選び方は変わると思います。とはいえ、ご自身だけで全部を見極めるのは大変です。おうちキャンバスさんのように、間に入って一緒に考えてくださる方を頼るのも、一つの方法だと思いますよ。
注連内
本日は色々とお聞かせいただき、誠にありがとうございました。
※記事内の所属・役職・数値は取材当時のものです。